熊谷誠慈准教授らの研究チームが仏教対話AI「ブッダボット」を開発しました
熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター准教授)、古屋俊和 (Quantum Analytics Inc. CEO)、東伏見光晋 (青蓮院門跡執事長)らの研究グループが、現代人の悩みや社会課題に対して仏教的観点から回答する仏教対話AI「ブッダボット」を開発しました。
Googleの提供する「BERT」というアルゴリズムを応用し、最古の仏教経典『スッタニパータ』から抽出したQ&Aリストを機械学習させた結果、精度には課題があるものの、ユーザーからの質問に対して文章の形で回答できる状態になりました。
日本における仏教離れの原因は、しばしば葬式仏教などと揶揄されるように、仏教が形骸化してしまったためだと考えられます。仏教が復興するためには「幸せになるための教え」という仏教本来の役割を取り戻す必要があるでしょう。
本技術は、学術研究や仏教界のみならず、メンタルヘルスやコンサルティング、教育産業などの分野への応用も期待されます。また、JST(科学技術振興機構)のムーンショット型研究開発事業、新たな目標検討のためのビジョン策定(ミレニア・プログラム)で熊谷准教授の研究グループが開発提唱した新テクノロジー「Psyche Navigation System」にも応用する予定です。ただし、誤用や悪用等により、ユーザーを誤った道に導く危険もあり、一般公開には注意が必要です。
本研究成果は、2021年3月12日に開催されたRIEC国際シンポジウム「When AI Meets Human Science」において公表されました。
京都大学にて2021年3月26日に記者会見を行い、国内外の各種メディアから報道されています。
メディア掲載情報
・朝日新聞2021年3月27日社会面コラム
・毎日新聞2021年4月21日夕刊社会面、9頁
・京都新聞2021年3月27日社会面3,31頁
・文化時報2021年4月1日, 1頁
・中外日報2021年4月2日, 1頁
・TBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』「週刊ニッポンの空気」(3月29日)